The Witch of The West is Dead 西の魔女が死んだ

ストーリー

私はまいのような子が生まれてきてくれたことを本当に感謝しているんです

写真:左にふりむくまい。緑のチェックの洋服を着て、三あみにしている。

「魔女が倒れた。もうダメみたい」中学3年になった少女まいに、突然の知らせが届く。おばあちゃんの家へ向かう車の中でママから聞かされたおばあちゃんの訃報。
"魔女"とはママのママ、英国人の祖母のこと。ママとまいだけの呼び名だ。まいは2年前の日々へ想いを馳せる。

中学校へ入学して間もないあの頃、学校へ行くのが苦痛になってしまったまいは、ママの提案で、西の魔女のもとで過ごすことになった。
おばあちゃんの家系は魔女の血筋だと聞く。おばあちゃんのいう魔女とは、草木についての知恵や知識を代々受け継ぎ、物事の先を見通す不思議な能力を持つ人のこと。
まいは自分も魔女になりたいと願い、魔女になるための修行を始める。"魔女修行"のはじまりだ。おばあちゃんが課した修行とは、まいの予想に反し、早寝早起きし、食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をするという単純なこと。そしてもう一つ、「何事も自分で決める」ということだった。
草原でワイルド・ストロベリーを摘んでジャムをつくり、野菜やハーブを育て、昔ながらの智恵を活かす。それは、まいにとって、まったく新しい生活だった。
風を受け、ふりそそぐ光を感じながら大自然の中で暮らす日々は、閉ざしていたまいの心を次第にとき解していく。
しかし、近所に住む謎の男、ゲンジの言動が、まいの気持ちを逆撫し、心をかき乱す。どうしても彼を受け入れることができないまいは、ゲンジに寛大に接するおばあちゃんを理解できず・・・。
遂にある出来事がきっかけとなり、二人は心にわだかまりを残したまま、まいはおばあちゃんの家を去ることになってしまう。

山を越え、森を抜け、あのなつかしい魔女の家を久々に訪れたまい。そこには魔女が、静かに横たわっていた。
いつも包み込むような、よき理解者であったおばあちゃんとの、あの不本意な別れが最後だったと知り、後悔で押し潰されそうになるまい。しかし、彼女を救ったのは、いつかのおばあちゃんとの"約束"だった。
「おばあちゃん、人は死んだらどうなるの?」「そうですね。おばあちゃんが信じていることを話しましょう。」
まいは死んだ西の魔女から、最後のメッセージをうけとる・・・・・・。

原作

草や木が光に向かって伸びていくように、魂は成長したがっているんです

写真:窓をあけて緑が見える台所で、台所仕事をしている、茶色のワンピースにエプロンをしたおばあちゃんと、オレンジのパーカーを着ているまいの後姿。カップ・ソーサーが木の棚に飾ってあるなど英国風の可愛い台所。

原作:梨木香歩 (kaho nashiki)

1959年鹿児島県生まれ。本作で、日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を受賞。
主な作品に、「丹生都比売(におつひめ)」(95)、児童文学ファンタジー大賞受賞の「裏庭」(96)、「エンジェル エンジェル」(96)、「からくりからくさ」(99)、「りかさん」(99)、本屋大賞3位入賞の「家守綺譚」(04)、「村田エフェンディ滞土録」(07)、紫式部賞受賞の「沼地のある森を抜けて」(05)、「この庭に―黒いミンクの話」(06)、「春になったら苺を摘みに」(02)、「ぐるりのこと」(04)、「水辺にて―on the water/off the water」(06)、絵本「ペンキや」(02)、「蟹塚縁起」(03)、「マジョモリ」(03)、「ワニ」(04)などがある。

原作者からの言葉

試写を拝見して、冬の午後の日だまりを思いました。晴れた冬の日の陽射しが、木々の枝の合間を抜けて、柔らかい腐葉土と乾燥した落ち葉の上につくる、午後の日だまり。
お話は初夏のできごとだけれど、そういう静謐で暖かい、けれどもひそやかな生命力を感じさせる、日だまりのような映画になりましたね。ご完成、おめでとうございます。
スタッフの皆様の誠実さとひたむきさには、頭が下がる思いでした。この映画の醸し出す日だまりの暖かさが、それを観る方々の胸のなかにも灯り、何か不思議な、生命の力のひとつとなって、働いていきますように。
梨木香歩

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